インターンシップカカオ栽培 店長ブログ
こんにちは!店長の美咲です。
お店にいると、まだ海外行ってないの!?と言われる事が増えてきました。
出発は5月22日なので、あと2週間ほどはお店で製造や販売をしています!
イベントがあったり、新商品を出したり、色々と取り組んでいるので、
ぜひお店にも遊びに来てください(^^)
今回は、カカオ豆の焙煎(ロースト)について。
Farm of Africaさんでは、カカオ豆をチョコレート製造メーカーに向けて輸出していて、
チョコレートまでの加工は行っていません。
ですが、ウガンダで栽培されるカカオ豆がチョコレートにしたときに
どういった香りや特徴があるのかを知るために、少量でチョコレート製造をするそうです。
チョコレート製造に関して、焙煎はどう設定するのがいいのか、
コンチング(カカオ豆をすり潰す作業)をどれくらいするのかなど
日々、ウガンダのカカオ豆を使ってチョコレートを作る立場から
お手伝いできることがあれば!と思っています。
カカオ豆は遺伝子や生育環境、天候や発酵などによってさまざまな特徴が現れ、
ローストによってもその味わいは変化します。
ローストでは、発酵(前回までの記事を参照)の工程で
カカオ豆に生じた前駆体から香味を発現させます。
つまり、チョコレートの香りが出てくるのは、ローストの工程を経てからなので、
チョコレート製造にとってとても大切な工程になります。
ローストには、カカオ豆のままローストする豆ローストと
ニブ(カカオ豆を荒く粉砕した状態)でローストするニブローストがある。
チョコレートメーカーでは、豆ローストをすることが多いので、
ここでは、豆ローストにフォーカスしていきます。
豆ローストは、伝統的な方法で、揮発性カカオ香気がロースト中に
シェル(カカオ豆の殻)に包まれて維持されることから、繊細な香気を有する。
また、ロースト中にシェルが剥離するため、シェルの除去が比較的容易になる。
ロースト前のカカオ豆は、収斂味、苦味、酸味があり、少しかび臭い。
ローストすることで、カカオは典型的なカカオ香気を有し、酸味は低減する。
ロースト度合いが高くなると、ローストの香気は増大するが、酸度は低下する。
カカオ豆は、発酵後、乾燥されて水分値7-8%の状態で出荷される。
カカオ豆の水分値を3%まで減少させたのち、ローストを行うとより強い香味を呈する。
また、ロースト前の水処理(40~60℃の水で10~15分処理)で
香味前駆体生成を増大させるという考え方もある。
(参考文献:書籍「チョコレート製造技術のすべて」)
上記をふまえて、今回は5種類のウガンダ産カカオのチョコレートを製造しました。
まず、温度を固定させて、焙煎時間を変更。
#1 20分
#2 25分
#3 30分
それに加えて、水処理を加えた場合、乾燥の工程をいれたもの
#4 水処理後、乾燥・焙煎25分
#5 乾燥(95℃20分)→焙煎25分
コンチングの時間は、おおよそ同じになるように製造を行いました。
個人的な感想にはなりますが、
#1~#3は、口に入れてすぐに酸味があり、フルティーさを感じますが、
アフターフレーバーは、発酵の香りやナッツのような香り、コクが残ります。
焙煎時間が長くなるほど、酸味は少なくなり、
ロースト香やチョコレートの香りが感じられます。
#4は、香りの種類が異なり、中間でパイナップルのような香りと酸味がでてきました。
口に入れてから、アフターフレーバーまで緩急はあまりないですが、
香りが他より複雑に変化するように感じました。
#5は、ロースト香が少し強め。ですが、しっかりと酸味・香りの変化もあり、
#1~#3と比較して、アフターの香ばしさ(キャラメル感)がありました。
さまざまな手法、考え方がありますが、正しい答えはなく、
好みのフレーバーが出せるとベストなのではないでしょうか!笑
今回作ったチョコレートも実際にウガンダに持って行って食べてもらいたいと思います。
使用している感覚としては、
ウガンダ産のカカオ豆は、乾燥がしっかりされていて、脂分が高いような印象で、
他の豆とブレンドするときにもとてもいい役割を果たしてくれます!
水処理による味の変化や乾燥の工程は、今まで実際に比較したことがなかったので、
新しい発見にもなり、とてもいい機会でした!