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OKINAWA CACAO REPORT 11月号

OKINAWA CACAO REPORT

ここ沖縄でも、雨が降らない日が続いています。水不足の心配もありますが、やんばるの山は水瓶となり、農業用水や集落水道を潤してくれています。しかし、そろそろまとまった雨が欲しいところ。年間を通して湿度の高い沖縄ですが、今は湿度も低く、過ごしやすいです。それは良いことなのですが、生活し、農業もする身としては、適度な晴れと雨は大切です。今年は台風発生の数は少なく、しかし大型の台風が長期間滞在したため、その影響なのか、いろいろな天候や農作物の成長が少しズレたような気がしています。

昔はこうだった、と言うほど長く沖縄にいるわけではないので、知ったような口はきけませんが、これまでの経験と同じような天候を期待してしまう私です。仕事では常に変化を求める私ですが、こと天候については今までと同様、という安定を期待してしまいます。私のエゴですね。。。

冬が近づき、チョコレートシーズンに入りました。チョコレート製造はコンスタントに積み重ね、準備を続けています。今シーズンもバレンタインには東京と大阪の百貨店への出店が決まっています。他の会場からも取り扱いの相談もいただいており、本当にありがたい限りです。私たちの商品と活動を通して、沖縄の価値・魅力を伝えていくことを事業の柱に据えています。どれだけこのシーズンに注目を得ることができるのか、その後のシーズンに大きな影響を及ぼすので、毎日が必死です!あ、いつもですが。

11月は県内外で活動を伝える機会がありました。11月半ばは神戸・フェリシモさんのチョコレートミュージアムで行われたイベントに出店しました。美咲店長が伺い、お客様と触れ合い、全国のbean to barメーカーの皆さまと交流してきました。昨年に引き続き2回目の開催ということもあり、メーカー同士、より深い語り合いができたそうで、良い仲間づくりの機会となっているようです。

11/27には那覇にて活動報告&商品発表会を行いました。チョコレート好きなお客様、長く応援してくれている友人知人、お取引をいただいている店舗や企業さまなど、多くの方に参加いただくことができました。ありがたい応援と支えてくれる方々の存在に心温かくなりました。

それと同時に、スタッフと力を合わせ一緒に準備したイベントは、会社にとってとても意義深い体験となりました。イベント準備をする中で集客やプレゼンなど、普段やらないことに葛藤しながら乗り越え、良い会を作ることができました。イベントの振り返りをする中で、悩みなどを共有し、どうやって乗り越え解決していったのか、それぞれの気持ちをシェアしました。普段の仕事の中では話せないこと、気づかないことに触れ合ったおかげで、チームとして一段成長した気がします。良い仲間と一緒に仕事ができる幸せを噛み締めながら、この文章を書いています。本当にありがとうございました。

沖縄でのカカオ栽培と発酵のこと

ちょうど今、カカオは受粉シーズンです。花が咲き、ポコポコと受粉が行われています。たくさん受粉するカカオを見ると、本当に嬉しくなります。昨年少なかった木にはたくさん受粉しているものもあり、毎年少しずつ成長しているのだなと思います。逆に、昨年たくさんつけていた木にはまだ実が少なく、裏年なのか、気候が違うのか、成長に個体差が大きく出ています。

昨年との違いは、ハウス内の気温です。8月の台風6号の影響でビニールハウスの上部が破けたため、熱が逃げ、ハウス内の気温が上がらず、カカオの成長に影響しているものと感じます。12月中には補修工事を行い、保温に努め、しっかりとした冬越しを行います。カカオ栽培適地ではないため、環境づくりは大切です。冬場の低温障害もありますが、夏場はビニールハウス上部に熱がこもり、高温障害が出ていたため、どちらが良いのだろう?とも思います。この高温障害、低温障害による成長を見るため、京都大学農学部の研究室と一緒に試験を行なっています。

夏場は高温による影響を見て、これから始まる冬は低温環境下での冬越し対策を試験します。

カカオのポテンシャルはどこまであるのか?生育を数値として把握することで、近い将来、面積拡大を実現する基盤情報としていきます。

大学の先生にはいろいろと学ばせてもらっています。剪定、土づくり、環境づくりなど、経験則でやっていたことを言語化、技術の見える化を行い、それを知識として蓄えることができています。専門家であり、人に教えることのできる先生でもあるので、一緒に作業しながら学ぶ機会です。

ありがたい共同研究の機会をいただいています。

【チョコレート製造について】

11/27に行った活動報告&商品発表会では、ウガンダ産カカオ豆を使用したチョコレートの紹介をしました。

美咲店長がウガンダで見てきたことは、品質の高いカカオ豆づくりの現場です。

生産者からカカオを仕入れ、環境条件を緻密に見ながら発酵を行い、乾燥工程では一粒一粒傷やゴミなどの付着がないかを確認して、良質なカカオを作っていました。当社ではいくつかの産地のカカオ豆を使用していますが、その中でも全体の完成度、安定した品質なのが、ウガンダ産です。カカオ豆の乾燥がきれいで、ゴミなどほとんどなく、加工する私たちにとって、とても使いやすいのです。味が良いのはもちろんです!そして沖縄産の果物などの素材との相性がとても良いと感じています。

そのおかげで、当店では沖縄素材とウガンダ産カカオを合わせた商品を複数作っています。

大人気のスイカのチョコレートは、甘さの強いスイカのドライフルーツに、ウガンダカカオ100%のカカオマスをディップした商品です。ビターなチョコレートを噛めば噛むほどスイカの風味が口の中に広がり、いつまでも美味しさを楽しめます。

甘酸っぱい青マンゴーのドライフルーツにウガンダカカオ70%のチョコレートをディップした、青マンゴーのチョコレート。酸味のある青マンゴーとウガンダ豆の相性はすこぶる良く、お客様の評価もとても高いです。お酒好きな方に好まれる傾向のあるチョコレートです。

ウガンダカカオを生産するFarm of Africaでは、発酵・乾燥後のカカオ豆の薄皮を手剥きしたカカオニブを商品化しています。当社ではそれを仕入れ、黒糖を絡めた「カカオ黒糖」を今年商品化しました。カカオハスクなどの混入がないため、安心して製造でき、黒糖のやさしい甘さとカカオニブのほろ苦さがちょうど良い、ついつい手が止まらなくなる商品です。モリンガパウダーをまぶしたモリンガカカオ黒糖は、一層黒糖が引き立つ美味しさです。

ウガンダ産バニラの風味、沖縄産パイナップルの美味しさで止まらないチョコレートは、人気でした。まるでスナック菓子のようにザクザクした食感、いくらでも食べることができてしまいそうです。これらの商品はこれからのチョコレートシーズンで、多くの方にお召し上がりいただきたく、頑張って製造しています。

ウガンダ産カカオを使った商品。時計回りに、
赤いスイカチョコレート、青マンゴーチョコレート、カカオ黒糖、カカオ黒糖モリンガ、バニラパインチョコ

【地域の話】

毎月第3日曜日に、田嘉里朝市を開催しています。当店をメイン会場として、地域の事業者さんが出店し、集落と朝ごはんと、ゆんたくを楽しめる場所づくりです。

朝市をスタートして2年ほどが経ち、お客様も定着してきたように思います。出店者は4-6件くらいと少ないのですが、その分ゆっくりじっくりと滞在いただいています。本屋さん、マッサージ、集落散策など、食べ物以外のメニューもあり、田嘉里という集落と空間、人との交流を楽しんでいただいています。

朝からお客様の笑顔を見るのは本当に楽しく、準備は多少大変なのですが、その分返ってくる喜びは大きいのです!寒くなる冬はまさにやんばるの季節であり、山から昇る朝日を浴びながらの朝市は気持ちよく、ぜひこの開催タイミングに合わせて沖縄・やんばるへ旅行してもらいたいな!と思っています。

賑やかな観光地ではないやんばるは、ここで過ごす時間に価値があります。自然豊かな空間に浸り、ご飯に舌鼓を打ち、出店者と話しこだわりを聞き、ここでの仕事や生活の話をする。私たちにとって普段の生活現場である集落をゆっくり歩き、何気ない日常に溶け込むことがやんばるの過ごし方であり、楽しみでもあります。

人が多くなく、豊かな自然に育まれている地域だからこそできる過ごし方、楽しみ方。これこそ上質な旅であり、サステナブルで豊かさを感じる時間です。時間をかけて、ゆっくりと過ごすやんばるを、ぜひ感じてくださいね。

【最後に】

名護と今帰仁のまたがるゴルフ場跡地に、新しいテーマパークが2025年に開業するとニュースになっています。
ニュースでは盛り上がりに期待するという声が流れる一方で、SNSでは反対意見や残念な思いをする沖縄の方々の発信も多いです。

アジアの富裕層を呼び込み、やんばるの自然を満喫してもらう、集客施設となり、所得の低い北部経済に寄与するようなテーマパークにするという主催者。
地域に住むものとしては、自然豊かで静かな場所こそ価値があり、貨幣経済では測れない魅力があると感じているのも事実。

大きな懸念としては、資本力によって地域が一気に変えられ、投資の場所となり、住んでいる人にとって生活し続けることが難しい地域に、長い時間かけて変貌してしまうのではないか?ということです。
都市と地方の折り合いの付け方が、大きな資本力で強制的に行われるので、この先の調整が大変なことになるような気がします。
私自身は、やんばる三村(大宜味村、東村、国頭村)にはこのような施設はできて欲しくない、名護までで止めてほしい。というのが本音です。
大量の人が来ることに耐えきれない地域であるため、節度のある往来、持続可能な生活と仕事を主体とした地域づくりが大切であり、大きな資本力による変化は怖いと感じています。
どれだけ地域に溶け込めるのか、経済界だけとの話ではなく、地域住民、地に足をつけて生きる人たちとの話し合いを、ずっとずっと継続することが大切です。
その心がある施設になってもらいたい。切なる願いです。

豊かな田嘉里集落。当店の2階、カフェスペースより。豊かさとはそこに住む人が営み、世代を超えて幸せになろうと努力していることだと思います。

【チョコレート定期便 11月の内容】コースによって入るものが異なります。

毎月OKINAWA CACAOのチョコレートが届く定期便参加者を募集しています。
11月は下記のチョコレートをお届けしています。
ご興味のある方はチョコレート定期便をご覧くださいね!

  1. 生姜と月桃のチョコレート ボジョレーと合います!
  2. 訳あり青マンゴーカカオケイク
  3. 板チョコレート4種セット
  4. 泡盛まるたのランゴ・オ・ショコラ
  5. ドライフルーツアソート
  6. トロピカルドライフルーツ
  7. 琉大ハニーグラノーラ
    上記はスタンダードプランの方へお届けするセット内容です
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