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ジャングリアのプレゼンテーションに見る事業主の責任と本気度と、大宜味村のホテル誘致計画

地域づくり

11/27に、名護市・今帰仁村にまたがる嵐山ゴルフ場跡地に、新しいテーマパーク、ジャングリアが2025年に開業することがニュースとなって流れた。
以前より開業予定と聞いていたが、いよいよその全貌が見えてきた。
沖縄県内外、いろいろな利害関係者を巻き込み、期待と不安、羨望と失望など、さまざまな考えと感情が入り混じった状況となったと感じる。
メディアでは経済効果に期待する声が上がる一方で、SNSでは自然への影響、交通渋滞、貧しい北部エリアという言葉にも敏感に反応し、なんとも言えない感情は無いと言えば嘘になる。

しかしそれでも、ジャングリアの記者発表のプレゼンテーションを全て見ると、株式会社刀、およびジャパンエンターテイメント社、何より代表の森岡氏の本気度が伺え、時代が動くような、期待を抱かずにいられない。

何より、明確な夢を描き、事業主体である私たち(刀のみなさま)が沖縄を、日本を豊かにする、次世代に引き継ぐという強烈な意志とその実現に向けた行動、姿勢を知ることができ、大いに刺激を受けた。

このテーマパーク開園とその後に向けての挑戦は、OKINAWA CACAOにとって大きな意味を持つものになると思う。

と同時に、地域産業創出の事例として、政治家や地方行政に携わる方にとって、しっかりと見て学んで、真似して欲しいと切に願う。

プレゼンテーションを見て、興奮冷めやらぬうちに綴っているので多少乱雑ではあるが、率直な気持ち、そして私たちOKINAWA CACAOの決意も忘れないよう、書いておきたい。

やんばるという地域にあるOKINAWA CACAO

 私たちOKINAWA CACAOは、今回のテーマパークの場所よりもっと北へ、車で40分ほど走り、世界自然遺産や国立公園に指定されている、ディープ「やんばる」のエリア、大宜味村田嘉里に拠点を構える。
人口250人の田嘉里集落は、最奥部は自然遺産に指定されるほどの深い自然の山と森があり、その麓は海まで続く。集落はその豊かなやんばるに抱かれ、水が豊かでそれは美しく静かな土地である。
山や森の中だけでなく、集落での生活の中にも自然の豊かさにあふれ、日常生活が、ある意味非日常なほど、朝も昼も夜も、深夜も生命に溢れている地域である。

 沖縄でカカオとチョコレートで地域づくりをしたい、次世代に引き継ぐ社会づくりに貢献したいという夢を描き、その想いをぶつけて受け止めてくれた田嘉里で、仕事をスタートすることができた。

新テーマパーク、ジャングリアはここから距離にして30kmほど離れているとはいえ、北部地域にできるこのインパクトは、人の流れ、社会の流れを変え、私たちの地域の事業へも大きな影響があると思う。

せっかくできるのであれば、これをチャンスと捉え、自分たちの事業を成長させる努力と挑戦をするべきだ。

テーマパークのコンセプトは、「Power Vacance」だという。

人間の本能を貫通する興奮、お金と時間をかける以上の価値のある感動体験、自分や家族へのご褒美、ここでしか味わえないものを通して、人生の思い出に残る物語を創出するというもの。
このコンセプトを楽しみに、沖縄やテーマパークに来た方が、その周辺へ足を運ぶ際、同じような感動体験、わざわざ行って良かったと思う価値、ここでしかできないものに出会えるかどうか。

そういったものを生み出していくチャレンジを、私はしたい。

具体的には商品開発であり、カフェメニュー開発であり、カカオ体験であり、本物のディープ「やんばる」の集落の魅力を伝えることである。

やんばるの人たちが守り、紡いできたやんばるの自然を、生活文化をゆっくりと味わえる、じわじわと幸福感を感じる空間と、沖縄産の素材の良さと鮮度を味わうチョコレート、スイーツ。

極め付けは沖縄産カカオを体感する何か。

空間としては沖縄・やんばるのゆったりとした時間が流れつつ、五感で感じるものは沖縄が溢れた豊かなものであり、味覚嗅覚視覚を満たすものである。
それらがどういったものなのか、会社の仲間、地域の仲間たちと生み出していく挑戦をしたい。

2024年はそれが一つのテーマになる。

刀の本気度

 プレゼンテーションでは、USJ時代の構想が2010年ごろに始まり、森岡氏が自分の夢、使命としてやると決めてオープンするまで15年かけた準備と挑戦だという。沖縄県内の関係者とも話し合いを重ね、テーマパークができることで起こる良い面、懸念点を洗い出し、一つ一つ対策を取っているという。

沖縄の北部に来る、という需要を作ることで、産業が生まれてくる。

既存のインフラの中で需要が増えるということは、交通網をはじめとしたキャパシティを超える可能性があり、ここについては沖縄県や周辺自治体と話し合いをしているとのこと。これは早急に手を打ってもらいたい。
すでに許田IC出口や伊佐川のバイパス出口、名護市街の国道58号線で、時間によっては渋滞がひどく、これ以上の悪化すると地域で生活する人たちに大きな影響を及ぼすことになる。
個人的な思いだが、鉄軌道を一年でも早く開通させて欲しい。距離にして100km弱ある那覇-名護間は、高速で大量に人や物を運べる鉄道があると移動の手段が変わってくる。いつまでも車で全てを解決していく社会ではなく、長期的な視点でインフラ整備を進めていく機運を創っていきたい、という意思も森岡氏の話から伝わってきた。

全体を通して、プレゼンテーションから、全て自分たちが責任を持って主体的に関わっていく、という本気度を感じた。

テーマパークができることで、良いこともある反面、悪いことも起こり、反対者も生まれる。

良いことが生まれるから、悪いことに多少は目を瞑って欲しい、ということではなく、ネガティブなことにも向き合い、一つ一つを丁寧に対応してもらいたい。地域住民にとっては、ネガティブ面にとても敏感です。

その積み重ねが信頼につながり、沖縄の一人一人から信用を得ることになる。一緒につくっていくという、応援者、支援者、地域ぐるみの取組みに成長していくと思う。

大宜味村で計画されているリゾートホテルの件

OKINAWA CACAOのある大宜味村では、結の浜という埋立地に人工ビーチを作り、ルートイン系列のリゾートホテルを建てるという計画がある。
大宜味村の行政としては既定路線で推進しているが、反対者はいる。同じように、賛成者もいる。

何度か地域向け説明会が開催されているが、反対者の意見で会場は紛糾し、村長はじめ行政は反対意見を受け流し続けている。
反対意見が出ると決まって、
「検討する」「確認する」「調整する」
の連続。質問にまともに答えず、計画で決まっているので、ホテル推進に向けて進めてまいります。という言葉を発し、反対意見を聞かない姿勢を貫く。
ホテルに賛成する住民からは、私たちは賛成しているから、反対意見だけじゃない!と怒号が飛び交う説明会は、カオスそのもの。

行政はホテルを誘致するために、潮の流れが急なところに人工ビーチを作り、ホテルを建てやすい環境をつくる約束をしている。
ルートインホテル側はホテル側で、社員が住む場所を作って欲しい、社員雇用の助成金を出してほしい、法人税を優遇して欲しい、上下水道のインフラ整備をして欲しいなどなど、要望のオンパレードだ。企業誘致とは、そういうものかもしれないが。

もちろん全てを聞いているわけでは無いが、大宜味村は税金を使って着々と制度を整え、外堀を固めている。
私たち既存事業者にはない補助を、新しく来る企業には惜しげもなく出そうと準備する。
誰かから、何かもらっているのか?!と疑いたくなってしまうほどだ。

これらの一連のやり取りを見て感じる一番の懸念は、責任を取る体制ができていないことだ。一体誰が、最終的な責任を取るのか?
村長も行政も、ホテルも、私が責任を取ります。と自分の名前を出して言える人物がいるのか?今の役職を解かれた後も、責任を取れるのか?

ホテルが建つと決まれば、工事や観光に関わる問題は、ホテルの責任という。
ただ、誘致して建設を受け入れ、そのための様々なインフラを整備するのは行政側である。

ホテルが建てば、良いことだけでなく、ネガティブなことも起こる。まして立地は、保育所や小中学校、診療所の近くにあり、子どもたちも住民も行き交うエリアだ。何かあったときに、誰がこのホテル建設に最後まで責任を持つのか、全く見えない。

大宜味村のホテルは事業者の本気度も政治と行政の責任者も不在で、私は懸念しか感じない。

やるなら本気でやろうよ。責任を取ろうよ。その姿勢を見せて欲しい。

大宜味村長、役場職員、およびルートインの関係者のみなさま、ぜひジャングリアのプレゼンテーションを見て、株式会社刀、および森岡氏の仕事に対する責任、本気度、姿勢を見て感じて欲しい。

事業の責任を持つ一人の人間として、ものすごい刺激になったし、自分の仕事の向き合い方を変えようと思うほど、すごいプレゼンだった。
森岡氏のファンのような文章だが、新テーマパークの建設に半信半疑だった私自身の心が動いた発表会のプレゼンだった。

本気で本物しか、これからは受け入れられないし、継続できない。

本気はやる人間の姿である。
私も、もっと本気で、明るく楽しく元気良く、やっていこう!

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