OKINAWA CACAO REPORT 代表ブログ
令和6年の始まりは衝撃的なニュースが続出でした。能登半島の被災地には多くの支援が集まるものの、未だ支援する人が足りず、被災者同士で助け合い生活をしている状況と聞きます。なかなか現状打破を見出せない状況で必要なものは、これからの希望とのことです。この先の未来を見通すことのできる、希望。まさに生きる原動力です。生活が安定していない中でどのように希望を抱くことが出来るのか、人と人とのつながりは、その一筋になり得ると感じます。平時からどれだけ地域と人とのつながりを作ることが出来るのか、それが未来の希望になるはずです。
同時に、地域内で手を取り合い生きていく、支え合うコミュニティづくりも大切です。当社のように地方で生活する場合、自然と人と人との距離は近くなり、いざという時に支え合うことが比較的スムーズではないかと感じます。いかに見知った人との関係が大切なのか、新年早々、これからのコミュニティづくり、人と地域との関係づくりを深く考える機会となりました。
個人的には前職の仕事の関係で、氷見や能登の方々とつながりがあり、震災当初連絡をとり、安否確認を行いました。限られた電源、電波状況も悪いことから、連絡を取ることも難しい状況でした。個人で支援するには寄付などに限られ、災害支援の経験を有するNPOや組織に現地活動は頼ることが良いのかと考えました。いかに現地を取りまとめ、外部とのやりとりを潤滑に行うことが出来るのか、いざという時のために必要な電源を確保し、自活できる基盤を作るのか。
自然災害だけでなく、いろいろなことが起こる可能性を考え、日常の中からできる準備をしていくことが、将来の生存に繋げることが出来ると思います。身の引き締まる思いです。
OKINAWA CACAOはカカオとチョコレートを通して、地域と人とのつながりを生み出し、深い関係づくりを目指してきました。その役割は一層大切になると感じています。
身近なチョコレートを口にしてもらうことが、人とのつながりを強くすることにつながります。一つ一つの商品に思いを込め、魂を込め、人と地域を結ぶ事業として、一層成長できるよう、努力してまいります。
本年もどうぞよろしくお願いします。
一月半ばまで、半袖でも過ごせる日が続きました。カカオの花は咲き、新たな受粉も見ることが出来るのではないか!?そのくらい、気温も上がり、暖冬傾向は異常なほど、と感じていました。
しかし1月後半に入り、大寒を過ぎる頃には強い寒気が入り、最低気温は10度を下回り、最高気温も13度くらいまでしか上がらず、寒い寒い冬となりました。気温の変化は、風向きによって始まります。南風が吹くときは気温が比較的上がり、北風が吹き込む時は徐々に下がります。北緯26度の沖縄では、風の影響が強く、南の海上の気温が高い、北は寒いのだなと肌感覚でわかります。
よく人から、気候変動によって沖縄もカカオ栽培適地になるのではないか、熱帯果樹にとっては良いこと、と言われたりもしますが、私はとんでもないことだと感じています。緯度で6度の違いが起こってしまうことが、どれほどの変動となり、生活への影響が出るのか、計り知れません。できる限り緩やかな変化で、現状と変わらない環境であることが生活文化を育むことにつながると考えています。
しかし変化の時代、これまでと変わらない、ということに期待する方がダメなのかもしれませんね。農業も変化を受け入れ、毎年変わり続けることが必要なのでしょう。変化することが出来るものが生き残る、その変化に柔軟に対応し、変化を成長のチャンス捉え、楽しんでいける人間になっていきたいです。
今シーズンのカカオは、先月のレポートでも伝えた通り、成長のサイクルがこれまでと異なっています。温度変化、気象変化によって毎年の成長がずれてしまうこと、それだけ繊細な植物なのだと感じています。植物にとって環境変化は生存に直接関係してきますので、人間ができることはその変化をできる限り緩和すること、徐々に徐々に変化を促していくことになるのでしょうか。
それが人間の持つテクノロジーを活かすことなのか、本当にたくさん考えることが多い、それを一つでも多く実行する一年となりそうです。
今年初めて収穫したカカオ。小さいながらもしっかりと実が詰まっていました!
12月から1月にかけて、バレンタインの準備も佳境です。
この時期のチョコレート製造の目玉は、シークヮーサーピールのチョコレート、「黄金チョコレート」です。完熟したシークヮーサーをクガニと呼びますが、漢字では黄金と書きます。そのためこの名前をつけました。
今シーズンは仕入れ先農家を変更しました。これまで仕入れていた眞謝さんの畑は不作で収穫量が少なく、当社の分まで賄いきれないということでした。そこで大宜味村内で仕入れ先を探し、若手有望株の松本さんの畑から仕入れることができました。
平張りの農業用ハウスで栽培されるシークヮーサーは鳥獣害の被害から守られ、上等な品質の果実が実っていました。除草剤等の農薬は使用せず育てられており、毎年の積み重ねを感じる素晴らしい畑です。
今シーズンは300kg程度のシークヮーサーを仕入れ、コンフィづくりの加工を行いました。
地域のお母さんたちにお手伝いいただき、まるまる1週間かけて洗浄、カット、煮こぼしして蜜漬けの前工程をしてもらいました。
その後、OKINAWA CACAOの工房で糖度をゆっくりと上げていき、セミドライに乾燥させてピールは完成。ウガンダ産カカオ70%のチョコレートをディップし、今シーズンも美味しい黄金チョコレートができました。
シークヮーサーの美味しさは、香りとほろ苦さにあります。いかにこの風味を閉じ込めることが出来るのか、コンフィづくりには注意を払い、味を確認しながら行います。特に今年は生産者を変更したこともあり、味の違いが出ることが予想され、いかに理想に近づけるのか、試行錯誤しました。
同じ商品を作るのも、毎年の工夫の積み重ねなのだと、心から思います。生産者の畑から農産物を仕入れ、その味を見てものづくりを行う当社は、仕入れの品質がものづくりを左右します。良いものを仕入れ、良い加工をすること。農産物の個性を活かして味わう商品づくりをすること。それを常に肝に銘じて行っています。
黄金チョコレート、今年も素晴らしいできとなっていますので、どうぞお楽しみくださいね!
阪急うめだのバレンタインチョコレート博覧会に出店しています。1/20-2/14まで。
今年も素晴らしい会場で取り組みを伝えることが出来ること、本当に感謝しています。まずはこの素晴らしい会場を作っている阪急うめだの皆さま、バレンタインチームの努力と誇りに感銘を受けています。
カカオやチョコレートを通して、伝えたいことおを伝える。その魂が会場中に溢れています。ぜひ阪急うめだのバレンタイン会場へ、足をお運びくださいね!
OKINAWA CACAOは今年もセミナーを何度か開催します。私、川合の担当は、1/26-27にありました。Okinawan Farm to Barを伝えること、それがテーマでした。チョコレートは、カカオと砂糖から作ることができます。沖縄産カカオと、沖縄産サトウキビでチョコレートを作ること、それが出来るのが沖縄です。その可能性を肌感覚で伝えるため、今年はサトウキビ生産に携わる、南野糖業の宮崎さんにお声がけし、一緒に沖縄の可能性を伝えました。
目玉は阪急うめだの会場で、サトウキビを搾ること!
宮崎さんの畑で収穫されたサトウキビを、沖縄から運んだサトウキビ搾り機で搾り、できたてのサトウキビジュースを試飲してもらいました!沖縄でしかなかなかできないことを、大阪で伝えるという、本当に楽しいチャレンジをすることができました。
宮崎さんは昨年まで、沖縄のBean to Barを切り拓き続ける「TIMELESS CHOCOLATE」で働いていました。昨年阪急うめだで隣同士に出店し、一緒に沖縄の可能性を伝えよう!と意気投合し、今年のセミナーにつながりました。沖縄の畑からものづくりを行うリアルを伝えたい、それを形にしたのが、今回のセミナーでした。阪急うめだの会場では、サトウキビ搾り体験をお客様と一緒に行い、親子連れにも楽しんでもらうことができました。カカオとチョコレートは、人を笑顔にする、ちむどんどんする。その現場を創出することができ、とても嬉しいです。私たちはこれからも、沖縄の魅力と可能性を、カカオとチョコレートを通して伝えていきたい、それが役割なのだと決め、取り組んで参ります。
沖縄産カカオでチョコレートづくりを行いました。今月の定期便にも入れています。2023年7月収穫/発酵のロットを送ります。
発酵の違いでチョコレートの味も大きく異なります。この違いは農産物としてのカカオ収穫時の味の違い、そして発酵ノウハウの違いもありますが、ロット違いが出ていることは間違いありません。同じ畑で採れた農産物でも違いが生まれることがよくわかります。
カカオ栽培からチョコレートづくりまで、これからもしっかりと向き合い、一緒に成長していきたい、チョコレートづくりを増やすために、もっとたくさん収穫できるようになりたい。つくづく思います。面積拡大に着手できるよう、今年は流れを変えていきます。
今月のチョコレートと共に、沖縄県産、自社栽培カカオのチョコレートをお楽しみくださいね!
また、東京・松屋銀座のバレンタインワールドに2/2-14まで出店します。東京でもお会いできることを楽しみにしています!
【チョコレート定期便 1月の内容】コースによって入るものが異なります。