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OKINAWA CACAO REPORT 令和6年6月号

OKINAWA CACAO REPORT

沖縄の梅雨が終わり、夏が来ました!梅雨の期間は短かったのですが、雨量がとても多く、びっくり!

梅雨明けの沖縄は猛暑が続き、沖縄ってこんなに暑かったっけ?というくらい、暑いです。日差しがものすごく強く、夜まで気温が下がりません。毎日真夏日、毎晩熱帯夜です。
こう暑くても、ひと足先に夏を迎えるのは嬉しいですね。沖縄の梅雨明けからの1ヶ月は、一年で最も美しい時間だと思います。青い空、安定した夏空、ベタ凪の海。どこまでも青く透明な沖縄がここにはあり、やんばるの山と森は生命の息吹に溢れています。そして夏休み前なので、観光客も少なく、旅をするにはもってこいのタイミングです。

沖縄へ行くのにいつが一番おすすめですか?
そう聞かれて私が答えるのは、梅雨明け後の1ヶ月、まさに今なのです!

そんな美しい沖縄を離れ、私は6/27-7/3まで、東京・渋谷スクランブルスクエアに出店しています。
初めての渋谷出店、私の青春の一部を過ごした渋谷です。

高校の通学は渋谷駅乗り換えだったため、1990年代の渋谷はよく徘徊していました。

社会人になり、渋谷の街を花いっぱいにする「渋谷Flowerプロジェクト(シブハナ)」に参加し、土日はよく早朝から遅くまで、渋谷で花壇づくりを行い、飲んで食べて遊んで仲間と共に様々な経験を重ねました。
渋谷の再開発とともに建物や道は大きく変わり、作っていた花壇もどんどんなくなり、社会の変化と環境保全活動の相容れなさ、自分たちの無力さに愕然とした思いもありました。

私の人生でも大きな影響を与えてくれた土地、渋谷で、今度は沖縄での地域づくりの夢をのせて出店させていただく機会となりました。初めての場所ではお客様も初めての方が多く、私たちの取り組みを一つ一つ丁寧に伝える機会となっています。
渋谷でいろいろとこれまでのことを振り返りながら販売している。人生は巡って巡っていろいろなことがあるのだなーと思います。今日も明日も、一生懸命になって、地域の魅力と可能性を伝えていくこと。それを最も大切にして、仕事をしていきます。渋谷スクランブルスクエアへ、ぜひお越しくださいね!

もちろん、沖縄へもぜひ!みなさまの仕事をしている現場にも、行きたいなー!

渋谷スクランブルスクエアでの出店販売。高校の友人が来てくれた!嬉しい!

 

沖縄でのカカオ栽培と発酵のこと

6月、梅雨の雨と気温がカカオを成長させてくれました。
6月は二度の収穫を行い、発酵にかけることができました。5月収穫まではカカオの種子は小さく、胚乳が潰れていることが多かったのですが、この時期の収穫分では、立派な種でした。カカオパルプの味もよく、量も多かったため、発酵が促されました。
カカオの発酵は、糖度のあるカカオパルプからアルコール発酵が始まり、その後攪拌して空気を入れることで、酢酸発酵が進んでいきます。毎日攪拌を行い、好気性発酵を促すことで日々進んでいき、目指す状況になったら発酵が終了、乾燥工程となります。
これまでは発酵後の乾燥は、機械乾燥をしていました。そうすると48時間程度で乾燥が終了、カカオ豆もだいぶシュリンクして小さくなっていました。

5月に、ウガンダからFarm of Africaの岡野さんが当店に来てお話を伺い、発酵と同じくらい乾燥工程はカカオ豆の品質に影響しますよ。じっくりと天日乾燥することが重要です!
と教えてくれました。5-6月は梅雨時期でもあるため天日乾燥はなかなか難しいのですが、ちょうど梅雨明けしたこともあり、天日でじっくりと乾燥させていきます。そうすることで、カカオ豆にも発酵がしみわたり、中身までしっかりと行き渡った発酵カカオ豆が出来上がります。

このレポートに何度か書きましたが、当社のカカオ収量は少なく、一度に発酵をかけられる量は数キロと、ごく少量です。その少量で行うノウハウが、とても大切です。数字のデータをとりながら、しかし最終的には自分たちの感覚でノウハウを作り上げること、栽培、収穫、発酵、乾燥、チョコ作りのサイクルを繰り返し、その工程ごとに改善をしています。
一朝一夕では実現できませんが、この繰り返した数と時間が、私たちの血肉となり、沖縄でカカオ栽培を行う技術とノウハウ、経験という財産になると考えています。
ぜひそのカカオ栽培の現場へ、お越しくださいね!来月のチョコレート定期便は、今シーズンに収穫したカカオで作るチョコレートをお届けしたいです!

天日乾燥させたカカオ。収穫後に2400gあったカカオ豆は、発酵、乾燥して700gに。歩留まりが低い!カカオの収穫品質が発酵、乾燥、チョコ作りに大きな影響を与えるのだなと、つくづく感じます。

チョコレート製造について

6月は催事出展が多く、阪急うめだで行われた「おいしいかわいい沖縄展」、月末に行われている渋谷スクランブルスクエアのPOP UP、沖縄県内での看護師学会での出店と、新しいお客様と出会いお伝えした時間でした。
8月8日〜13日には、東武池袋にて沖縄物産展が行われ、そこにも出展します。新しい場所での出展は、チョコレートという切り口ではなく、違う見え方見せ方があるということを知ることができます。
しかしどこへ行っても共通するのは、沖縄を地場にしているということです。地域の生産者から仕入れて、その地にある工房で加工し、地域から取り組みを発信すること、この地域発という取り組みに興味を持っていただいているように思います。

催事に出展している他ブランドを見ると、当社のように現地調達・現地製造しているところもあれば、地名を冠にしつつ、製造は別地域というところもあります。それぞれの事業構造、利益構造によって手法が異なりますが、私たちは地域から価値を生み出し、魅力を発信することを事業ミッションとしている以上、とことん地域発にこだわり、やっていきます。

地域の原材料にこだわっていくと、選択肢は狭くなりますが、奥に深く探ることになります。一般的には知られていないものでも、こういうものがあったのか!という発見があり、それを使ってものづくりをしていく面白さがあります。商品化した時になかなかその魅力が伝わらず、売れない時期もありますが、自分たちの手で生み出した商品をいかに伝えるのか、創意工夫を重ねながら少しずつ商品を育てていく醍醐味があります。

ドライフルーツチョコレートは、まさに当社の取り組みの代名詞のような商品です。特に青マンゴーと呼ばれる、完熟前の摘果マンゴーを使用したチョコレートは、その最たるものです。

通常は廃棄される摘果マンゴーですが、どうにか使えないかと試作した結果、甘酸っぱいジャムが出来上がり、そこから工夫を重ねドライ青マンゴーが作れるようになりました。

今では果肉部分を青マンゴーのチョコレートに、果肉の端くれは青マンゴーソルベとして店舗でお出しし、煮詰めた後のシロップは凍らせて青マンゴーソーダの原料や青マンゴーカカオケイクのジャムにと、廃棄するところがありません。その上全て美味しく、お客様からの評価もいただけるものになりました。

これらの青マンゴーの加工は、美咲店長が入社当時に始めた試作から始まったのですが、年月を重ね、当社の代表する商品群となっています。地域の魅力は地域を歩いて見つけたものから生み出していく、その努力をし続けることこそ、当社の役割です。

青マンゴーは5-6月に仕入れ、一気に加工します。 この季節の風物詩です。皮を剥き、カットし、煮詰めてドライ加工する、延々と続く作業はさながら修行のよう!そうやって加工した青マンゴーがお客様に喜んでもらえることが何よりの励みです!

地域の話

この時期、沖縄では本マグロが水揚げされ、やんばるのお寿司屋さんでも味わうことができます。旬の味覚は食べる喜びを感じさせてくれ、沖縄に来てくれるお客様をおもてなしする最高の素材の一つです。
沖縄はマグロとカツオが美味しい!私はずっと伝え続けています。
近海であがるマグロとカツオは生の状態でセリに出され、流通します。鮮度の良いマグロは本当に美味しく、年中様々な種類のマグロを食べることができます。
その中でも5月の連休明けごろから流通する沖縄産本マグロは、私も心待ちにするマグロです。

行きつけのお寿司屋さんでは、本マグロのネギトロ、トロタク、中トロ大トロの握りがメニューに上がり、お店に行くたびに舌鼓を打ちます。
東京・築地で食べたらいくらするかわからないほどの上等なマグロ、ここでは地元価格で美味しくいただきます。本当に幸せですね!
毎年この時期に私の両親が沖縄に来てくれ、畑仕事などをたくさん手伝ってくれます。夜はこのマグロのお寿司を一緒に食べ、仕事や家族について語り合う時間が何物にも変え難い、大切な時間だなーと感じています。

今年の梅雨は短く、1ヶ月ほどで終わりました。しかし大雨が長く続き、例年にないほど多くの雨が降りました。
梅雨が終わる前の10日間くらいは毎年土砂降りが続くのですが、今年も例年にもれず土砂降り、大宜味村は土砂災害警報が出るほどでした。山間の集落のため、土砂災害の危険性があり、戦後すぐには大きな土砂災害で多くの死傷者が出たそうです。そういったこともあり、この山は崩れやすく、この場所まで危ない、ここは大丈夫といった経験則があるらしく、集落の飲み会でたまに話題にあがります。

地域で生きてきた方々の経験則が生きており、それをしっかりと引き継ぐことが大切だと感じています。

梅雨が明け、沖縄では夏が始まりました。今年の梅雨明けは気温がグッと上がり、例年以上に暑い夏になりそうです。素晴らしい魅力溢れた沖縄へ、ぜひお越しくださいね!

最後に

6月はカカオ収穫を二度行い、今年は一緒に収穫する体験会を都度開催しています。
収穫する喜びを共有したいという思いもありますし、カカオを通して新しいつながりが生まれる機会にもなります。わざわざ沖縄・やんばるまでカカオ収穫、発酵体験をしたいという方の存在は本当にありがたく、それだけ本気の方が来てくれます。そういった方と今後何かできたら、新しいことが生まれる気がします。カカオは人の笑顔につながります。

カカオ収穫体験に参加してくれた方々。県内外から毎回参加者が集います

 

社員募集中です!ぜひ募集要項をご覧くださいね!

 

チョコレート定期便 6月の内容 冷凍スイーツセット】コースによって入るものが異なります。

  1. 泡盛古酒珈琲ティラミス 渋谷スクランブルスクエア向けに製造した商品です!
  2. ドライフルーツチョコレート パイン2(Nパイン、ボゴール)、青マンゴー、今帰仁スイカ
  3. 黄金(シークヮーサーピール)のチョコレート泡盛まるたのランゴ・オ・ショコラ
  4. カカオ黒糖
  5. 泡盛まるたのランゴ・オ・ショコラ
  6. 板チョコレート
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