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なぜ沖縄でカカオを育てるのか その1

カカオ栽培

カカオの種(カカオマメ)を初めて沖縄で播種して1年3ヶ月。

冬の寒さで少し弱ったりしたけど、随分と大きな苗に成長してきた。

大きいもので150cmを超えるほどに。一年ちょっとでこんなにも大きくなる力がカカオにはある。やってみなければわからなかった。ちゃんと育つとは想定していたけど、ちゃんと面倒を見るとちゃんと育つのだと、これまでの時間を経て理解することができた。

さて、なぜ沖縄でカカオを育てているのか。どんな野望!?いえいえ夢があるのか、少し綴っておこう。

そもそも私、沖縄出身でもなく、チョコレート業界に身を置いたこともなく、沖縄でカカオを始めるにあたりとても多くの方に、

「なぜカカオなのか?」

「なぜ沖縄なのか?」

を問われ続けてきた。もちろん自分にも問うてきた。率直な理由は、沖縄でカカオをやりたい。何年も思い続けてきた。

カカオは単体では商品にならない。砂糖や果物など他の食材と組み合わせることで、一つの商品となる。

 

それが何より、私にとって魅力的で意味あることだ。カカオを沖縄の産業にしていきたい。そのためには多くの方と連携しながら事業を発展させていきたい。カカオは生産者と生産者をつなげる媒体になるのではないか。いろいろな生産者、加工者、流通や消費者が関わる仕事になる。

そんな妄想を何年も続けてきた。何年も想い描き続けて、飽きもせずカカオやりたいと思い続けたから、やろうと。そして2016年3月に起業し、スタートした。

 

前職では起業家育成や地域で頑張る人の支援などをやっていた。東北の震災復興支援にも携わらせていただいたとき、各地を回る中で見てきたことがあった。それは

三陸という海を中心に地域産業を復興し、その海と向き合って人生をかけている人がいた

ということ。本当にたくさん、本物が東北にいる。一人一人が自立しながら連携し、切磋琢磨し続けている。私もそのような地域を軸にして人生を賭ける一員になりたい。

以前から抱いていた地域の現場で汗を流したい!という思いがフツフツと湧き上がってきた。

 

その頃妻と小さい息子が沖縄に住んでいた。いわゆる震災避難だった。

東北と沖縄と東京を行ったり来たりする中で、地域の課題の根っこは繋がっているのではないか?と思った。その地域で何を柱にして、誰がやり抜くのか。何をやるかは、やると決めた人が描けばいい。結局は決意することだけなんだ。そうやって決意した人が行動し、動く人が増えることで地域に変化が起きてくる。何をやるかより、誰がやるか。

 

沖縄でコーヒーを育てている農家を訪問し、カカオの可能性を探っていった。コーヒーができるのならカカオもできるはず。沖縄でカカオが育てば、地域ブランドとして世界と向き合う仕事にできるだろう。

 

そんな思いでカカオ栽培をスタートさせた。

こんな思いだけの人に土地を貸してくれたナカハラ氏との出会い、これは私の人生にとって大切な出来事となった。

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