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なぜ沖縄でカカオを育てるのか その2

カカオ栽培沖縄の食材

地域現場のプレーヤーとして我が情熱を傾けていきたい。

地域にある資源をフル活用すれば、食や自然の供給源、私たちの命の基盤である地域を次世代につなげることができるはず。

経験、知識、仲間、いろいろなリソースを持って、持続可能な地域づくりを目指す。それをやらねば、息子娘の世代に、孫の世代に、胸を張ってこの社会を引き継ぐことができるのか。経済的な豊かさを目指した親の世代に育てられた私たちの世代の責務だ。

都市に一極集中化する現代。生まれ・育ちは千葉東京横浜と都市部に主に住んで感じるのは、都市のライフラインは地域にあるということ。

人もモノも情報も都市に集まるが、大切な食料は土地・自然のある郊外や地域が担う。里山や農村が育んできた地域ごとの文化もある。その自然も文化も次世代に引き継ぎたい。私たちの世代で終わってしまう地域を無くしたい。日本人としてのアイデンティティを自分自身が受け継ぎ、次に伝えたい。そんな思いがある。

私がカカオ栽培のために入った沖縄県北部・大宜味村。ヤンバルと呼ばれる亜熱帯樹林が広がり、その山間部や裾野に集落が点在する。集落ごとに歴史と文化があり、自治が行われている。シークヮーサーの産地であり、芭蕉の繊維から作られる芭蕉布の技術と文化に代表される手仕事が日々の生活に根付く。生活や仕事に必要なモノは自分たちの手で作ることもできる。

カカオを育てるビニールハウスは資材以外、設計から建設まで全部自分たちで作り上げた。脈々と引き継がれてきた生活・仕事の技術が当たり前に根付く。人から人へ、普段の生活の中で共有され、一人一人の村民の中に生きているように感じる。

地域に人が住むということは、その土地を守り、文化を生活の中で引き継いでいくということ。

人が住む。そこで仕事をする。

それは地域が継続するための何より大切なことだと思う。カカオ栽培と地域食材を活かしたものづくり。オキナワカカオを体験するツーリズム。生産者との交流。地域内で仕事が回り、その仕事を通して都市との交流が行われる。

地域にあって都市にないもの。それは生産現場であり、食材であり、それにまつわる物語だ。自分たちの生活を支える食と自然と直接つながり、体験し、お互いが共感し信頼し合いながら支え合う関係づくり。

そんな地域と都市の関係づくり・・・いや、地域と都市の境界を無くしていく取り組みをしていきたい。

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