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オキナワカカオ活動報告会を開催 9/14

オキナワカカオ部活動

オキナワカカオの活動とカカオ栽培をスタートさせ1年半ほど経ち、今後の見通しもなんとなく見えるようになってきた。うまくいくという意味ではないが、こんな風に育つのではないかという見通し。

沖縄でカカオは育つのか?

そんな期待と困難さを併せ持つこの取り組みの現状を伝えようと実施したのがこの「オキナワカカオ活動報告会2017夏秋」。

カカオ栽培、沖縄の食材を使ったチョコレートの新作試食を通して、地域現場のリアルを伝えた。

平日の夜、沖縄でカカオ栽培というキーワードに集まってくれた方々。

カカオとはどういう植物なのか。

沖縄で育てるということは気温的な栽培限界をどう見つけるのか、が一番のポイントとなる。沖縄の気候を理解しつつ、その中でカカオがどう育つのかを明確に理解したい。

そんな思いで、沖縄の栽培状況、そこから見える可能性と課題をお伝えさせていただきました。

 

カカオ栽培地は南北20°のカカオベルトと呼ばれるところに集まっている。いわゆるそこが栽培適地。沖縄の緯度は26°。カカオベルトから6°、650キロほど北に行った距離。

650キロといえば、およそ那覇から鹿児島までの距離。亜熱帯気候から温帯気候へ変わるほどの違いがある。沖縄北部と鹿児島の平均気温は2-3℃ほど違う。沖縄でどのように育つのか、同時で環境適応する品種、苗を見つけることができるのか。

その研究をしていこうというのが主な方針だ。

栽培可否は複合要件だと思う。

低温時に風が強いと体感温度が下がるため、ダメージが大きくなる。

強風で苗があおられると幹が倒れ根が弱る可能性があり、無理に起こすと根が切れて再起不能になる。

なぜこうなったのか、それを考えていく。

環境と状況判断でどうカカオと向き合うのか、それがとても大事。だからカカオと会話をしながら栽培をする。カカオの声が聞こえるようになりたい。

7月末にフィリピンからカカオポッドを取り寄せ、600鉢以上播種した。しかし1鉢も発芽しなかった。理由は冷蔵便で送られてきたカカオだったから。ほぼ確実、それが理由だろう。

果実を保存するには冷蔵がいいと思うが、種となるカカオマメは死んでしまう。いろいろとやってみてわかることがある。カカオを播種する目的があるのであれば、冷蔵は厳禁。ぜひ知ってもらいたい。

食べるためのカカオマメの情報はどんどん出てきているが、育てるためのカカオの情報を、たくさん学んでいきたい。参加者にはチョコレート業界の方、カカオが大好きな方、カカオの生産地まで足を運んで知識と経験を深めている方々がいる。その先人たちの力をお借りして、沖縄でのカカオ栽培、そしてオキナワカカオ産業をつくっていきたい。

写真下 左がフィリピンのW10、右はベトナムのトリニタリオ種。大きさが倍違う。

沖縄食材を使ったチョコレートの試食、それが今回の目玉のひとつ。

沖縄のシナモン「からき」の葉をチョコレートに練りこんだ香り良い一品。作ってくれたのは、世田谷・三宿にあるCRAFT CHOCOLATE WORKSさん。事務所から近く、沖縄にも年初に来てくれ、いろいろと話しているうちにやってみようとなった。

一口食べると「からき」の爽やかな香りが鼻腔に抜け、とても美味しい。ガーナ産のカカオマメを使用した

bean to bar × 沖縄食材 の作品。10月か11月ごろから、オキナワカカオCRAFTさんで発売していく予定。

このからきだけでなく、カカオを育てる大宜味村の特産「シークヮーサー」、時期が来ればパッションフルーツなどもチョコレートに使いたい。どれも畑も生産者も良く知るものを使ったチョコレート。

私は畑からのものづくりを提案していきたい。発売をお楽しみに。

今回の活動報告会、森永製菓の小野さんにチョコレート業界トレンドとオキナワカカオの可能性をお話いただいた。

いつも何かあるときにお声がけいただいたり、イベントに参加してくれる。カカオ愛溢れる方。どうやってチョコレートが流行るのか、過去の商品分析、チョコレートができるプロセスでのそれぞれのこだわりと強みなど、目指す方向にこだわりを積み重ねて商品やサービスを生み出していることを改めて思い知った。

オキナワカカオの可能性、それは栽培限界にあるということ、国内にあるので身近ということ、そこから観光にも近いからこそのチョコレートの差別化ができるなど、今後に向けて大変勇気の出るお話だった。

何より小野さん自身が、カカオもチョコレートも面白いと思っているからこそ、ここまでのめりこめるのだと感じた。プロフェッショナルが近くで見てくれているありがたさ。

ここに集まってくれた方、そして普段から支えてくれている方がたくさんいる。

オキナワカカオが実現するまで、一歩一歩しっかりと進めていく。その力を得ることができた活動報告会でした。

ご来場いただき、本当にありがとうございました!

発信するのは勇気も力もいることですが、やってよかった!定期的に、毎回工夫を凝らしてやっていくぞ!

フィリピンのカカオポッドW10とパイナップル。それぞれ乾燥させたもの

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