ものづくり 代表ブログ
オキナワカカオ部 部長 川合径です。
年末年始は東京で家族と過ごし、実家へも新年の挨拶をすまし、本格的な仕事をスタートする準備を整えています。
年末のテレビ番組で、松井秀喜氏が「反省」と「準備」をいつも繰り返していた、ということを聞き、まさに私に必要なこととして、2018年はそれを日課にしていきます。
私は4人兄弟、実家に家族全員が集まると子供達も合わせ20人を超える大所帯となります。お年玉をあげたり、抱負を語ったり、仕事の相談をしたりと、まさに一年の活力をここで養っています。
その中で今年もお年賀を送り、もちろんいただいたのですが、兄からのお年賀はこれまでと違ったものでした。
蓼科の牛乳とくるみをじっくり煮込んだお菓子。煮込んだ牛乳がホワイトチョコレートみたいで、美味しく癖になるお菓子でした。
ヌーベル梅林堂という、諏訪地方・長野県岡谷にあるお菓子屋さんの商品。兄からは「よく行く諏訪で見つけた美味しい一品」と一言添えられて渡されました。
昨年までは近所で購入したものでしたが、今年は「地域」にゆかりのあるものでした。
普段の生活の中ではなかなか見つけられない一品。くるみも牛乳も、地方にはどこにでもある素材だけど、その地域で育まれてきた伝統の中から生まれた味なのでしょう。そういったものとたまたま出会い、それを誰かにあげたいと思い、お年賀となった。
もしかしたら東京のデパ地下で手に入るものかもしれない。でもこの商品には物語がある。兄がたまたまよく行く地域で見つけてきた。家族でストーブを囲みながら食べた。その時話した会話が楽しかった。そんな背景が、このお年賀にはあるのだろう。
オキナワカカオという取組を2016年にスタートし、地域食材を使ったチョコレートづくりを始めた。地域にゆかりのあるものを組み合わせて、地域の顔として商品にしていきたい。
しかし地域素材を組み合わせただけだとまだまだ足りない。作り手の思い、地域の伝統、自然環境。その商品の背景にあるものを積み重ね、積み重ねていく。そこにある食材を組み合わせるのではなく、有形・無形のものを組み合わせる。そうすることで、地域ブランドになっていくのだろう。
この食材はどのようにしてこの地域で作られるようになったのだろう。
昔からどのように食べられていたのだろう。
どのように呼ばれ、地域とともにあり続けたものなのだろう。
それは現在の人にどのように引き継がれてきたのだろう。
それを作る人の思いは、家族は、どうなのだろう。
私はおいしいものをただ作るのではなく、地域に根付くもの、地域を表現するもの、そこにあるべきものを、作っていきたい。作る技術とはただうまくやるための手段ではなく、その地域を表現する手段である。
だからこそ、地域をどう表現するのか、常に考え、地域の研究をしていきたい。歴史を学んでいきたい。人の考えをとことん聞いていきたい。
それが2018年の根幹をなすテーマである。