カカオ栽培 代表ブログ
北緯26°の沖縄でカカオを栽培する意義はなんだろう。
昨年12月の琉球テックプランターでプレゼン後、問われたお題
「北緯26°、カカオベルトから外れた沖縄でカカオを栽培する、人類としての価値は何か?」
これは深いテーマだ。
東京の家の中でカカオを育てている。南向きの部屋ならば、暖房をつけなくても陽が差し、日中室温は20℃を超える。新芽は少しずつ育ち、青々とした葉が茂る。
自宅でカカオを育てるオキナワカカオ部のメンバーには、北海道の方もいる。九州の方もいる。東京でも育つのだ。環境・条件さえ揃えば。
では沖縄で栽培する価値は?意味はどこにあるのか?しかも人類として。
この2年、沖縄でカカオ栽培を実現するためのトライを重ねてきた。沖縄本島北部では風も寒気の影響も軽微なビニールハウスの中では育つ。露地でも冬越し、台風も環境によっては乗り越える。
2000鉢を超えるカカオ苗の栽培経験から、環境さえ整えばカカオは育つものだと認識している。しかしその環境をどのように用意できるのか、それは大きな違いだろう。東京のマンションの中で数haも育てる訳にはいかない。
仮に冬の寒さが厳しい北海道のビニールハウスで暖房を焚いて、カカオを育てるとしたら、意味は何だろう。採光と断熱材のイノベーションの実現であろうか。
沖縄ならば無加温ハウスで、場所によっては露地でも栽培可能だ。しかしカカオにとって栽培適地ではあるまい。日本の中では栽培可能性があるのが沖縄なのだが。
沖縄のカカオ栽培、一定量の収穫が実現できるとしたら、以下の課題解決ができた時だ。
4は基本姿勢として持っておきつつ、これらを実現するために、小さい実験を繰り返し、成功事例を積み重ねていく。トライする数が必要なのだ。数が実現を引き寄せる。
その先にあるものが、沖縄でカカオを栽培する意味である。不可能を可能にする挑戦。地域に根ざす取組、大切にしたいことを大切にする行動。
未来にあることを信じて繰り返す行動。それが、人類にとっての意味。たまたま私は、オキナワカカオというテーマでやっているだけ。
ではないだろうか。今は答えは出ないが、挑戦にあるのだと、思うようにしている。
私の勝手な思い込みだが、沖縄でカカオを栽培しようと行動を始めたところから、何か価値を生み出しているのではないか。
・地域食材と生産者をチョコレートを通して少しでも伝えることができた
・カカオを栽培することで、日本全国から大宜味村の集落に足を運んでくれた
・沖縄のカカオで国産チョコレートをつくるという「夢」を共有した
何より家族に自分の取組を伝え、友人に挑戦を見せ、悩みを相談し、いろいろあっても前を向いてやっている。この現実も、価値なのではないか。自分にとっても。
カカオを沖縄でやることにより、カカオにも地域にもチョコレートにも、新しい人が関わるきっかけとなる。人が集まり、人が関わり、力を合わせること。人類の可能性に挑戦することこそ、意味になるのではないか。
みなさまはどう考えますか?