その他地域づくり 代表ブログ
文章 川合
4月16日、待望の社員が入社してくれた。この事実が嬉しい。
常に一緒にこれからを考え、挑戦できる。そして成長できる。
この環境をつくれたことは、本当にたくさんの人の支え、地域の支えがあったから。
多くの思いに感謝し、「オキナワカカオを地域連携で世界ブランドへ」という当初からの目標に向けて、今まで以上に邁進していく。
地域の可能性をカカオとチョコレートで追求していきたい。
カカオ栽培と産地化に挑戦し、地域素材を使い、地域らしい、個性的なものづくりとチョコレートを地域の仕事にしていきたい。
結果として地域のファンをつくり、地域と都市の関係をつくり、持続可能な地域づくりへ貢献していきたい。
そんな取組を伝える拠点が、製造・店舗である「OKINAWA CACAO FACTORY & STAND」。
カカオ豆からチョコレートを作る場所であり、地域素材を加工する現場であり、日々研究し、お客様とゆんたくする、価値を生み出す場所である。
この地域・やんばるで取り組むことに意味がある。そう信じ、やってきた。
おかげで県内外、海外の方も多く訪れてくれる場所に育ってきた。やんばるでチョコレートを楽しんでもらってきたと思う。
連休が明け、店舗再開後も、お客様の来店機会は少なくなりそうだが、それでもやんばるというこの場所で、カカオに取り組むことに価値を感じてもらう取組をしていきたい。
せっかく行くのならばやんばるへ。空気を感じるならやんばるへ。インターネットで検索するなら「やんばる」。
移動が制限され、直接来て、やんばるの空気を感じてもらうことはなかなか難しい。なのでそれを前提において、改めてやんばるとカカオ、チョコレートの価値を発信していきたい。
やんばるという場所に価値がある、それを改めて感じる。
豊かな自然、昔から変わらぬ集落と人が支え合い営む生活、それらが織りなす文化。
沖縄の観光地とは違い、静かで混雑もない。その上、工芸作家、食の職人、有機栽培に近いかたちで営農する農家など、こだわりを持ち文化的で洗練された方が多く住み、地域の魅力となっている。
もともとやんばるは都市から遠く離れた土地であり、仕事も生活も全て自分たちで成り立たせる必要があり、土木や家の建築なども自分たちで行ってきたからであろうか、ものづくりの基礎レベルがものすごく高い。1棟目のカカオ用ビニールハウスは、地域の方々による手作りだ。
畑も多く、生産現場にあることから、畑からとれたての食べ物が日常の食卓に並び、自然と生活も豊かで充実してくる。
今日のこのトウモロコシは具志堅さんの、このトマトは多和田さんの、どれも美味しいね、嬉しいね。うちも今こんな作物を育てているよ。
そんな会話が普通にある。
食と文化を通じて、地域内外の交流が生まれる。
この地域には多様さを受け入れる懐の深さがある。
やんばるの豊かな森が育んできた地域の魅力だ。
チョコレートは多様だ。
10円のチョコレートから数千円のブランド品まで様々ある。
小さい頃は駄菓子屋で買うチロルチョコに甘さと空腹感を満たす喜びを感じ、家族とゲームで遊びながら大袋入りのきのこの山やアーモンドチョコを嬉しそうに食べた。
中学生の時、バレンタインでチョコレートをもらいドキドキし、大学では初めて連れて行ってもらったバーで出てきたお酒とチョコレートの相性の良さに、自分も大人になったなと成長を重ねた記憶がある。
社会人になると仕事の合間に同僚とチョコレートを食べ、出張に行くとご当地チョコをお土産に買って帰り、一緒のチームで働く女性社員を喜ばせたかった。
そう、私にとってチョコレートの思い出は、嬉しい笑顔しかないのだ。淡い恋の思い出とともに。
チョコレートというのは、美味しいだけでなく、人が喜ぶ瞬間のお供であり、幸せを生み出すお菓子だ。
小さい子供から大人まで、誰もが成長の記録と共にチョコレートの記憶もあるのではないか。
振り返って考えてみれば、チョコレートは多くの人の人生に寄り添ってきたのだろう。
誰もがチョコレートと聞くと、ワクワクする。そんな心を動かすものを、原材料から丁寧に作ってみたい。
この地域の畑で、こうやってカカオを育て、収穫し、発酵し、チョコレート工房で焙煎し、磨砕し練り上げ、型に入れてお届けする。
チョコレートというものづくりの生産工程は、人の幸せをお供する工程であるとも考えることができる。
だからこそ、同じ地域で気心の知る生産者が原材料をつくり、自分たちでチョコレートに加工し、直接チョコレートを届けたい。
人の幸せと共にあるチョコレートだから、できる限り自分たちの目の届く範囲で、地域内の素材と資源で、大切につくっていきたい。
改めてそう思う。
それに取り組めることが地域の価値であり、やんばるの魅力であり、オキナワカカオの目指す取組だと思っている。
あっ、沖縄・やんばるで育てるカカオはまだ収穫に至っていないのだけどね。
対面での交流が当面控えられる状況が続く。
さて、どうやって自分たちらしく、やんばるらしく、取り組めるのだろうか。
オキナワカカオの取り組みを通じて、沖縄の、やんばるのファンづくりに貢献できるのか。
自社だけでなく、地域全体としてどのようにチャレンジできるのか。
模索は続くが新しい手法にどんどんチャレンジしていこう。
一人ではない、新しく加わってくれた、頼もしい店長もいる。そしてこれまで見守ってくれた、多くの仲間がいる。
近いうちにご案内できる取組も準備が着々と進んでいる。
そして毎月開催していたカカオとチョコレートと泡盛を楽しむやんばるの交流会、オキナワカカオナイトは初めてのオンライン開催をする。
新しい取組は、本当にワクワクする。各自チョコレートと泡盛を持って、参加してね。
きっとまた、チョコレートは笑顔と喜びのお供だって気づく時間になると思う。そして改めて決意をする。
オキナワカカオの夢をこれからも描き挑戦していくと。