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コンビニと地域感溢れる彩りの生活の狭間で

地域づくり

セブンイレブンの出店が沖縄で猛威を振るっている。
2019年7月に沖縄で初出店、2023年2月に150店を超えたとのこと。
既存のコンビニや地域商店のすぐ隣に出店する戦略なのだろう、ローソンやファミマというコンビニの隣にセブンができ、どんどん地域の景観を侵食している。
国頭・辺土名商店街の中にもセブンイレブンができた。
地域のスーパー、国頭スーパーのすぐ目の前。
あまりにも露骨な出店で、個人的に嫌悪感を持っている。
出店したい人がいて、あったら便利と思う人がいるからこうやって新たにコンビニができるのだけど、地域にとってはこれでいいのか?
ビジネスだからと言ってしまえばそれまでだが、コンビニばかり勢力が拡大する沖縄という地域に、その安直さに悲しさを感じている。
コンビニには、いつ行っても必要なものが一通り揃う便利さがある。ATMもある。
もちろん私も必要があれば買い物に行く。
牛乳や氷が切れると仕入れにも行く。
あれば便利なのは間違いない。あることで安心感が生まれるのも事実。
でもその安心をもたらす手段は、コンビニが主役なのだろうか?

やんばるには共同売店という仕組みが昔からある。
昔、地理的に不便なやんばるでは地域の日用品を購入する場所として共同売店が生まれ、コミュニティの場として、地域の金融機関的な役割も担うこともあったと聞く。
しかし集落の人口減少などによる集落内経済の縮小、車社会によって遠くまで買い物ができ、ネット通販も溢れ、コンビニが生まれ買い物をする場所が増え、共同売店としての役割が時代とともに変遷し、その魅力を発揮できないまま継続していくことが難しい状況に陥っている。
時代の変化に売店経営が追いついていないのかも知れないし、ただただ魅力を伝えきれていないのかも知れない。
ノスタルジーに浸って共同売店を復活せよ!と言いたいわけではないが、地域のお店があることで地域の個性を発信することになり、それは地域の彩りにつながっていく。
当店も地域のお店の一つであり、沖縄の個性を表現しようと取り組んでいる。

コンビニが増え、生活インフラとなったコンビニが地域性を存分に発揮する役割を担っていくのが自然の流れかも知れないが、コンビニはあくまでコンビニである。ルールがあり、本部があり、地域のスーパーバイザーがいて、コンビニブランド全体最適の中で経営が行われているのだろう。

地域の生活者が地域の恵みや豊かさを享受しながら、地域経済を循環させていくこと。
それが持続可能な地域に大切なことだと思う。

そのためには、日本中どこにでもあるコンビニが、少ない人口のエリアに新たに出店し、全国どこでも変わらない風景を作っていくのではなく、沖縄という地域らしさを考え、生活者にとって彩りあり安心があり、笑顔で豊かに感じる生活の場所、買い物の場所、憩いの場所が大切だろう。

観光県である沖縄。やんばるにも観光客も増えているからコンビニも必要と言われるかも知れないが、そもそも観光とは、「光」を「観る」こと。
人の優しさが魅力と言われるやんばるにおいては、地域の人たちの豊かさ、笑顔という日常生活の「光」があってこその観光である。
24時間営業のコンビニの光を見せることが観光ではない。

私たち沖縄に住む、沖縄で事業を行う人たちが何を大切にするのか。
審美眼を磨き、大切なことを求め、そこに挑戦し続けることが私たちの役割であり、地域の光をしっかりと生み出し続ける使命を勝手ながら担っていきたい。

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