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店長ウガンダ滞在記#6 カカオの発酵

インターンシップカカオ栽培カカオ発酵

こんにちは、店長の美咲です!
前回の続き、カカオの発酵についてです。

沖縄では、なかなか掴みきれていないカカオの発酵。
実際に発酵の様子を日々観察しながら、学ばせてもらっています。
少量の発酵と量が増えた時では、また全然違いますが、
おおよその発酵の動きを理解してきました。
また、温度の変動による味わいの変化も食べ比べながら理解してきました!

沖縄でのカカオの発酵については、
渡航前に内容をまとめているので、こちらをご覧ください。

ウガンダでカカオの発酵

カカオの買い付けを終え、その日のうちに発酵用のキューブに移して発酵を進めます。

キューブに移す前にもう一度計量。
トラックで運ぶ間にどんどんとカカオの果汁が流れていくので、
キューブに移すタイミングでは、買付け時から10~15%ほど重量が少なくなっています。
1回の買付けで2トンほどなので、1回で200-400kgほど減っているんです…!
想像以上に果汁が流れていてびっくり…

カカオ発酵初期

発酵では、1つのキューブに600-900kgほどのカカオ豆を入れて、嫌気状態にします。
木箱を使った発酵や、バナナの葉を使う方法などがよく知られていますが、
Farm of Africaさんでは、周りに穴をあけたプラスチックのケースとポールを使用し、
嫌気状態にするために、ビニールシートでキューブを覆います。
バナナの葉を使用してみたり、他の方法も試し、この方法に行きついたそうです。
発酵で流れ出る発酵液は、ケースにあいた穴から流れ出ていきます。
初めの1~2日目はアルコール発酵、色々な酵母が発酵を進めます。
香りは、甘い香りもあるけどしっかりアルコール。
ブルーシートで覆ったまま発酵を進め、3日目から好気性発酵です。

ブルーシートで覆ったキューブ

毎日、決まった時間にキューブの中に入って攪拌しています。
大量のカカオ豆を上からしっかり踏んで混ぜて、
別のキューブに移して空気を混ぜていきます。
空気を混ぜると、酢酸発酵・乳酸発酵となり、温度がどんどん上がってきます。
攪拌が終わったら再びビニールシートで覆います。

攪拌作業

量が多いと空気と触れる部分が少なく、温度が上がりにくかったりします。
温度が上がらないと、発酵がうまく進まず、出したいフレーバーが出てこない
ということも。毎日3回温度を測定し、少しの変化に気づけるように、
品質が安定するように管理されています。

キューブの穴がカカオのパルプカスなどで詰まっていると、
空気との接触が減り、温度が上がりにくかったことがあったり。
しっかりと記録があるので、問題があればすぐに解決策を考えられます。

温度測定

発酵日数は買い付けから7日間。
パルプ(果肉)は2日目でほとんど流れ落ち、次第に茶色くなってきます。

温度が上がっていない場合、発酵がしっかり進んでいなくて、
渋みが残っている場合があったり、小さいバッチでやった場合、
空気と触れる機会が増えて温度が上がり、発酵が進みすぎて苦味が強くなっていたり。
欠けた豆、傷のある豆は発酵が速く進むのか、酸味などがなくなっていることが
多いような印象でした。発酵日数が1日違うだけで見た目も味も全く異なります。

Farm of Africaさんのカカオ豆は割ってみると紫がかっていますが、
発酵が十分でないということではなく、しっかり発酵されています!
色だけでは発酵の状態は、判断できないという発見!

どこをとっても、誰でもできるように仕組み化されていて、
しっかり管理できるマネージャーがいて、とても参考になります。
世界で、国籍の違う人と一緒に仕事をしていく大変さも色々と伺いながら、
その中でもどう一緒にやっていくのか、柔軟に確実に対応していく
岡野さん、浅井さんの姿を見て、学ばせていただいています。

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